普段、歩いたり、階段を上ったり、椅子から立ち上がるなどの日常生活動作は筋肉の働きにより円滑に行われています。
しかし、歳を重ねるにつれ筋力が衰え、椅子に座った状態から立ち上がるのが困難に思われる方も少なくありません。
転倒につながる危険性も
椅子から立ち上がりが困難な高齢者の多くは筋肉の弱さを補うために、身の回りにある椅子や杖などの不安定な物をつかみ立ち上がり動作を行なわれることがありますが、これらは転倒やそれに伴う骨折のリスクを高める恐れがあり、非常に危険と考えられます。
この様な危険を回避する為にも、まずは座った姿勢から正しく安全に立ち上がる方法を知ることが大切です。
安全に効率的に立ち上がる方法
椅子に座った状態から安全に立ち上がる手順
- 少し浅く座ります
- 膝を曲げ足を後方に引きます(椅子の足に近づける)
- 両足の足裏を床にしっかりと着けます
- 両手を椅子の肘掛けに置きます(肘掛けがない場合は両手を椅子の端に置きます)
- 腰が丸くならない様に注意し、股関節からカラダを前方に傾けます(お辞儀をするように)
- カラダを前方に傾けた姿勢で座面からお尻を上げ、膝を伸ばし始めます(この時、手すりがある椅子なら肘を伸ばす力を利用し、お尻を上げる動作と同時にカラダを押し上げます)
- 膝を伸ばし、まっすぐ立ち姿勢を保ちます
椅子から安全に立ち上がる手順は以上になります。
体調に考慮し立ち上がる練習を
実践される際はくれぐれも自身の体調やお身体の状態を考慮し、安全に行えることを確認してから行ってください。
また、一人で実践することが困難または不安に思われる方はご家族や身近な人と一緒に練習を行ってみてください。
効率的+筋力強化にも
椅子からの立ち上がり動作が難しく感じられる場合、下肢筋力などの低下している可能性があると考えられます。
立ち上がり動作には腰、お尻、太ももなどの筋力が重要な役割を果たしており、椅子からの立ち上がり動作を繰り返し行なうことで、動作に必要な筋肉を鍛えることができます。
まとめ
椅子からの立ち上がりは簡単なことのように聞こえますが、怪我や病気、手術後には多くの人が苦労をされます。
また、老化のプロセスの一部として筋肉の衰えも、椅子からの立ち上がり動作を困難にする可能性があります。
座った状態から立ち上がるのが難しいと感じた場合、まずは効率の良い椅子からの立ち上がり方を生活に取り入れ、椅子から立ち上がるのに必要な腰、お尻、太ももの筋肉を強化し筋力の低下を予防することが大切です。